なんとかなるさ

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「この女の子、どこにいくんだろうね?」  そう言うヒナは、白地に黒のリボンが印象的なフリフリのワンピース、編み上げのブーツの上は素足だ。緑色の髪の毛をツインテールにしている。 背中には大きなベージュのリュックを背負っており、取っ手にふわふわしたキツネのぬいぐるみをつけている。  すごくかわいいくて気合いが入っているのだけど、私たちのお仕事は、時にいろんな所に潜り込んで服が汚れるから、私にはそんな勇気はない。  私は、厚手の緑色パーカーと、ズボンはぶかっとしているものを、腰とくるぶしできゅっと締めた赤色のものだ。足はグリップがよく効くスニーカー。それから、頭部を守るヘルメットね。あとは、ヒナと同じリュックを背負ってるけど、付けてるアクセサリーは、セキレイが落としていった白い羽を加工したもので、私目線では天使のそれに見えている。  ほんと、服が汚れない魔法とかあれば、私もかわいい服を着たいのだけどね。 「どこって、女子高生っぽいし、学校に行くんでしょ?」 そう言うと、 「メイは相変わらず、ありきたりな答えね。 その前に誰かと待ち合わせとかさ、そんな感じのラブいのをイメージしないの?」  まあ、そう言うのも良いね。 明るい希望を相手に託すような、そんなヒナの性格がとても好きだ。  ヒナは背中の大きなリュックからカラフルなエッグを取り出して、鞄の中で重なっている本類の間にコロコロと転がしてそこにストンと入る音を確認してから、 「これでよし。」 と呟いた。
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