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ニッポリの駅について、多くの人が降りたのに、またすぐに多くの人が乗ってきたから、エッグを届ける対象を決めるのには困らなかった。
そんな時だった。
車両の端の扉辺りに、私たちと同じ妖精がいることに気づいた。
私たちは移動距離を稼ぐために、ぴょんぴょんと跳び跳ねるからよくわかる。
男性ものの服だけど、着ているものは今の私と同じように、スタンダードなものだ。
てか、あの二人って。
私は大きな声で、
「ガズ~!
ロゼ~!」
そう言うと、隣のヒナはポシェットから取り出した手鏡を除きながら、せっせと髪を整えてから、ピンクのリップを塗っていた。
恋する乙女ね~!
「よう!
メイとヒナ!
どんな感じ?」
つり目の方のガズが、私を見た後ですぐにヒナに視線を向けながら言っていた。
……のだけど、話しかけてきたのがガズだったから、ヒナはプイッとそっぽを向いてしまった。
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