2.見えるのか? 見えないのか?

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「ああ、いいの、いいの。だって、俺、おまけだもん」 「おまけ?」 「そう、おまけ。俺ね、見えないんだ、霊とかって。力もないし……」  直久は自分の手のひらを、ジッと見つめる。  どういったわけか、うちの家系は妙な力の保持者が多く生まれる家系らしい。  俺は、自分自身に何の力もないから、なぜうちがそういう家系なのか? といった類のことに興味ない。  だから、誰にもちゃんと聞いたことがなくって、よく知らない。  ――だけど、実際、数やゆずる、親や知っている限りの親戚には、そういう力があって、ごく普通に、当たり前のように力を使う。  要するに、うちの家系はそういう血を受け継いでいる……と言うか、遺伝子を持っているらしい。  けど、だけど、だったら、何で俺だけ?  直久は堅く拳を作った。だが、すぐに緩め、その手のひらを見つめ直した。  薄く爪の跡がついているのを知ると、苦笑を漏らした。  わずかに頭を左右に振り、直久は妃緒にニッと笑いかけた。 「でも、あいつら二人は、マジすげぇの。普通に見えるらしいから。生きている人間とあんまし変わんないくらいハッキリ見えるらしいぜ、幽霊が!」  妃緒の方に身を乗り出す。 「しかも、よくあるジャン。漫画とかでさぁー、霊気の塊を敵キャラに投げつけるのとかって、ああいうのもできるらしい」 「ウソ! 本当?」  あと、他にも、テレパシーとか、触れずに物を動かすとか。 瞬間移動やタイムスリップとか……は、疲れるからやらないらしいが。――って、できるんかい!  はぁぁぁぁぁぁ。マジ!人間離れしているよなぁー。
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