6.いま何年? 何年何月何曜日? ついでに何日?

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 だけど、でも、どうして! 私とツバキは双子なのに!  同じ顔、同じ声、同じ、同じ、同じ、同じ、同じ……。    なぜ、私じゃないの?  私のどこがダメなの?  私とツバキとどこが違うの?    可哀想で、哀れなツバキ。  それなのに、なぜ?  私がツバキを羨ましく思ってしまうのは、なぜ?   【改ページ】  ▲▽    泣き疲れたのか、寝入ってしまったアヤメの黒く長い髪を、流れに沿うようにそっと撫でて、直久はアヤメの部屋を出た。  途方に暮れたい気分だった。  長々とアヤメの恋愛相談に付き合わされ、本当に彼女を恋愛経験0の自分が救えるのかと不安になってきた。いや、それ以前に、自分をここに呼んだのは、本当に彼女だったのだろうか?  アヤメ自身が言っていた通り、ツバキだったのではないだろうか?  ――ツバキって子の方にも、会っておいた方がいいな。  ツバキが屋敷のどこにいるのか? ……は考え悩む必要はない。あの部屋だ。  生け贄にされる少女が代々使っていたという、開かずの扉の部屋。  そこへ行くまでの間、直久は何人もの人々とすれ違った。  確かに、皆が皆、忙しそうに直久の脇を通り過ぎていったが、アヤメの言うように、ただ単に忙しすぎて直久が紛れ込んでいるのに気付かないと言うのと違うようであった。  そう、まるで、直久など存在しない、見えていないかのようにすれ違って行くのである。  やはり自分を見ることのできるアヤメが、自分をここに呼び寄せたのだろうか?    開かずの扉の前にたった直久は腕を組み、小首を傾げた。
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