41 カレー店オープン!

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41 カレー店オープン!

それから2週間が経ち、私とゼルゼディス様は平和で幸せな日々を送っていた。 「今日は何をしますか、奥様?」 「えぇ、もうすぐカレー店もオープンしますし… メニューを作らなくては!」 私は言う。 「メニューって、だから、カレーでしょ?」 ゼルゼディス様が不思議そうに尋ねた。 「あのね、ゼルゼディス様。 カレーと言っても、色んなバリエーションがありますのよ。」 私は言う。 「へぇ、そうなんですか?」 「元猫ちゃんには分かりませんわね。」 「バカにしてます?私の事?」 「いいえ、可愛がっているんですわ。」 私は天使の微笑みでそう返した。 「私はもう、みゅうでは無いんですよ? 今度は私があなたを可愛いがる番です、はい。」 「そんなにムキにならなくても良いでしょう?」 「いいえ、猫扱いはごめんです。」 うーん… どうもみゅうとして扱われるのに不満があるようだ… 私としては、ゼルゼディス様がにゃんこに見えて仕方がないし、可愛いと思うのだが… 「まぁ、ケンカはやめて、カレーを試作してみましょう!」 「そうですね。」 という訳でカレークッキングが始まった。 「まずは、ビーフカレーを作りましょう!」 私は腕まくりして手を洗った。 「ビーフカレー? つまり、牛肉を使うんですか?」 「そうですわ。 えーと、確か牛肉と玉ねぎと… マッシュルーム入れても美味しいかも?」 私はそう言って、調理し始める。 そして、その日5品のカレーを作った。 ビーフカレー シーフードカレー チキンカレー 野菜カレー ポークカレー トッピングには、オニオンフライとニンニク、チーズ、らっきょう、目玉焼き、を用意した。 どれを組み合わせても、カレーは中々美味しかった。 後は白いご飯があればなぁ… これじゃ、パスタに絡めるか、ナンで食べるしか無いわよね… まぁ、パスタでもナンでも美味しいとは思うけど… そんな事を思いながら、カレーを試食した後は、ゼルゼディス様と2人でメニュー表を作成した。 ♦︎ さらに1週間後、カレー店のオープン日になった。 卵焼き店にカレー店オープンのポスターを貼っていたので、沢山のお客さんが初日にも関わらずやってきた。 私とゼルゼディス様と従業員達は忙しく店内を駆け回った。 客席からは「美味しい!」の声が飛び交った。 パスタよりもナンの方が人気があるようだ。 夕方になっても客足は途絶えず、閉店を1時間延ばすことに… 「はぁ… 疲れましたわ…」 やっと店を閉めて私は客席に座り込んだ。 「今日の売り上げ、30万ルナですよ!」 ゼルゼディス様が計算して言った。 従業員達からも拍手が聞こえる。 従業員の給与や材料費を引いても、10万ルナは残るだろう。 良かった… こうして、セイラの領地にカレー店が華々しくオープンしたのだった。
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