14 永遠の愛を…

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14 永遠の愛を…

sideゼルゼディス はぁ… どうしてこうなったんでしょうか…? 私は心の中で深いため息を吐きました。 私には愛しのエシャロットに隠している事が沢山あります。 それはもう、ライトな物からヘビーな物まで… 私はエシャロットと結婚して、彼女を独り占めしたかっただけなのに… その為にいくつもの禁忌を破ってしまいました。 まず、エシャロットのビッチな妹アリアにかけたのは、『暗示魔法』です。 エシャロットへの憎しみを煽り、私が手玉に取りました。 まぁ、元々あぁいうビッチな性格なんでしょうけど、作戦は見事に成功しました。 そして、第1王子シャンクにかけたのは、『操作系恋魔法』です。 つまり、シャンクはエシャロットにゾッコンでしたが、私の魔法でアリアに恋に落とさせたのです。 暗示魔法はともかくとして… 恋心を操作する恋魔法は禁忌の一種とされています。 私は… この魔法を使う為に… いえ、暗くなりすぎますよね。 やめておきましょう。 とにかく、私はエシャロットを手に入れるために、あらゆる陰謀を駆け巡らせました。 アリアがサインした魔法契約書の内容? ふふふ… 聞かない方があなたの為ですよ。 そう… このエシャロット婚約破棄騒動での1番の黒幕は私、ゼルゼディスです。 もしも、全てがバレてしまえば、きっとエシャロットは私を嫌いになってしまいますよね…? そうですよね…? そうに決まっています。 私はエシャロットを繋ぎ止める為ならば、どんな犠牲も厭わないつもりです。 なぜ、そんなに彼女に執着するのか…? それもまだ言えません。 だけど、一つだけ言える事は… 私は彼女を愛しています。 誰よりも。 ノーメイクで真っ白なドレスをたくし上げて踊るエシャロットを。 領民のために生ゴミを集めたエシャロットを。 そして、私に微笑みかけるエシャロットを。 どんな事がこの先あっても… 私は彼女だけは離さない。 今日もエシャロットは不思議な卵焼きという物を作っていました。 腕まくりして、ボロボロのエプロンを付け。 それでも彼女の美しさは隠しきれません。 そんな彼女を近くで見ているだけで今の私は満たされていました。  いいえ、欲を言えば彼女の全てを自分のものにしたい。 隣で寝息をたてる彼女を見て、そう思う事も少なくはありません。 ですが、それでエシャロットに嫌われたら…? と思うと手は出せませんでした。 私はエシャロットに永遠の愛を誓います。 たとえ彼女の心がまだシャンクにあるとしても… たとえ彼女が前世の記憶持ちの不思議な人だとしても…
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