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20 おかしいですわ…
sideエシャロット
そうして、私たちは来る日も来る日も、卵焼きを売り続けました。
貯金もそれなりになり、一安心していた頃。
おかしいのですわ…
売り上げはゼルゼディス様と私で綺麗に折半しています。
私はそのお金の一部で化粧品や安いワンピースを買いましたの。
だけど、ゼルゼディス様は相変わらずツギハギの洋服にボロボロのベルト…
一体お金を何に使っているのでしょうか…?
私は不安になりました。
もしかして、どこかのご令嬢に貢ぎ物でもしているのでは無いか…?
その日の休日、私はゼルゼディス様の後をこっそりつけてみることにしました。
馬を馬で追うのは多少疲れますけれど、仕方ありませんわね。
だけど、私は元令嬢なので馬術には長けている方です。
馬を10分ほど走らせて着いた場所は…
「え…
保護猫カフェ…?」
私の頭にはクエッションマークが浮かびます。
猫好きなご令嬢とデートですの…?
私はこっそり中へ入っていきました。
しかし…
「いらっしゃいませ!
保護猫カフェへようこそ!」
店員さんの声でゼルゼディス様がこちらを見ます。
「エシャロット…!
どうしてここに…!?」
ゼルゼディス様は驚いています。
「ゼルゼディス様こそ、何をしてらっしゃいますの!?
浮気相手はまだですの…!?」
私は言います。
「え…?
猫と遊ぶのも浮気に入るんですか…?」
ゼルゼディス様は白猫の喉を撫でながら言いました。
「ね…こ…?
誰か…ご令嬢と待ち合わせでは…?」
私は目を丸くして言います。
「はぁ…
こんなにもあなたにゾッコンだと言うのに…
そんな人居る訳が無いでしょう?
私は猫と戯れに来ただけですよ。」
ゼルゼディス様は大袈裟にため息をついた。
「で、で、でも!
ゼルゼディス様はお金を誰かにつぎ込んで…」
私は言います。
「ゼルゼディス様は、保護猫カフェに寄付してくださっているんですよ。
あ、私はカフェ店員のニアです。
奥様の事はよくゼルゼディスから伺ってますわ。」
ニアさんが言います。
「え…?
お給料全部寄付してますの…?」
「猫が好きなんです。」
プイと横を向いて言うゼルゼディス様。
「どうして教えてくれませんの!?」
「言ったら怒られると思って…」
なんだ…
猫…
実は私も猫は好きなのです。
ほっとした私はゼルゼディス様と猫カフェでコーヒーを飲みながら猫ちゃんと戯れました。
「ゼルゼディス様、ごめんなさい。
私早とちりしちゃって…」
「いえいえ。
だけど、まぁ、ヤキモチなら少しだけうれ…」
ゼルゼディス様は言いかけてやめました。
でもね、確かに私はヤキモチを焼いてたんですわ。
悔しいから言いませんけどね♪
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