1164人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
42 真っ赤な鷹は…
sideゼルゼディス
その日、1匹の真っ赤な鷹が庭の木にとまっていました。
アイツか…?
しかも、いやーな予感…
鷹に手をかざすと、その鷹は一枚の封筒に変化しました。
やはりアイツからの手紙か…
私は軽くため息を吐くと、封を開けて便箋に目を通しました。
【手紙の内容】
悪友なるゼルゼディスへ。
ゼルゼディス元気か?
俺は元気だ!
メフィーネから、お前が結婚した事を聞いている。
結婚式にも呼んでくれなかったこと、全然責めてはいないからな!
全然気にしてないからな!
報告一つ無かった事も、全く怒ってないぞ!(怒
まぁ、でもお前がどうしても悪いと思うならば、俺の屋敷に奥さんと2人で遊びに来てくれ。
今週末に大きな夜会を開く予定だ。
そこで、ダブルデートといこうじゃないか。
俺の妻も大賛成だ。
まぁ、お前が嫌だというなら、無理にとは言わないが…
もう一度言うが、結婚式に呼んでくれなかったこと、全然気にして無いからな…!
ぜひ、遊びに来てくれ。
積もる話でもしようじゃないか。
by結婚式に呼ばれなかったディオクレイヤ
********************
とありました。
ディオクレイヤ…
魔導三神の1人で、別名・炎獄のディオクレイヤといいます。
私とはなんだかんだで悪友であり、酒場にて偶然相席になったのがきっかけでした。
その頃からディオクレイヤは既に結婚しており、かなり奥様にメロメロのようです。
愛妻家と言って差し支えないでしょう(私もですが)
私とディオクレイヤの違う所といえば…
彼は侯爵の地位を持っている事でしょうか?
何事にも豪快&派手好きな彼は庶民として暮らすのは嫌なそうです。
もちろん、このサルベアント国ではなく、隣国のスターシャという国で侯爵領を持っています。
そして…
結婚式に呼ばれなかった事をかなり根に持っているようですね…
うーん…
大きな夜会ですか…
エシャロットにも私にもドレスとタキシードが必要ですね。
まぁ、その前に奥様に相談してみますか。
私はキッチンで新カレーの研究をしているエシャロットに声をかけます。
「どうかしましたの?」
「実は…
悪友のディオクレイヤという男が、私とエシャロットを夜会に招きたいと言っているんです。
隣国のスターシャにディオクレイヤは住んでいるんですけどね。
どうしますか?
嫌なら…」
「あら、行ってみたいですわ!
ゼルゼディス様のお友達ならご挨拶したいですし…」
意外な答えが返ってきました。
「分かりました。
では、返事しておきますね。」
私は闇魔法でカラスを具現化すると、スターシャに向け飛ばしました。
最初のコメントを投稿しよう!