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長い膠着状態に痺れを切らし、行動を起こす者がいた。
通り名を『鉄砲玉の銀次郎』という銀次郎の部隊だ。
快活な大将の影響を受け、銀次郎の部隊は楽天的な兵が集まっている。
「いやっほぉぉぉー」
彼らは奇声を発し、飛び跳ね、敵兵目指し戦場に飛び込んでいく。
殺るか殺られるかという恐怖に興奮し、命を賭けた勝負を楽しむかのようだった。
安斉は、陰で銀次郎が「うつけもの」と侮蔑を含み馬鹿にされていることを知っている。
他の武将たちが呆れて見守る中、破天荒な戦い方をする銀次郎の部隊を、安斉は嫌いではなかった。
銀次郎の部隊が奇襲を仕掛け、浮足立った敵軍に対し一気に攻勢を掛ける。
これが、安斉軍の定跡となる戦術である。
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