仮面の王子

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こちらをまだ心配そうに見つめる柊くんに緩く笑いかけ、安心させておく。すると、彼もほっとしたようで、笑い返してくれた。 「そうだ、皆さん。今日は実家の新作ができたということで、皆さんにも試食して頂きたいんです。今から紅茶も入れて、休憩しませんか?」 「わーい!!!」 「いいねー!!」 「やった…!」 「ふふ、少々お待ちくださいね」 あー、やっぱりここは落ち着く。みんな優しいし、仕事も捗るし。初めは生徒会と聞いて不安でしたが、すっかり素になって、リラックスしています。 私の実家は和菓子屋なのですが、こうして定期的に皆さんに新作を試食してもらったり、おすそ分けをしているんですよ。母も大喜びです。 プルルルルル プルルルルル おや?電話がなっていますね。 ガチャ 「はい、名城美月です。…………え、会長、早退ですか。はい、こちらは問題ないですけど……えぇ、はい。分かりました。」
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