あなたのたまご

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あなたのたまご

何かも分からないけれど,それは確かにたまごです。 そんなたまごがあったら,どうするだろう。 ころころと,まずは指で転がして。 コツコツとつついてみるのかな。 危なげなそのフォルム。 傾いた場所にコトンと置いただけでも,充分勝手にお陀仏だ。 冷やしてみる? あっためてみる? 取り敢えず割ってみる? 焼いてみる? 生きているかもと,育ててみる? 絵や色をつけて飾ってみる? 何にしろきっと,たまごというからにはいつか中身が気になるんじゃないかな。 遅かれ早かれ,きっと。 わくわく,わくわく。 中身の分からないたまご。 私は,あなたは,そんなたまごをどうするだろう。 どう,扱ってみるだろう。 何の説明もないたまご。 自分にとって未知のそのたまごに,膨らます期待はどれだけだろう。 とうとう中身を知ったとき。 空っぽだったなら,思ったのとは全く違う何かだったなら。 私は,あなたは,何を思うだろう。 そのたまごを,最後にどうするんだろう。 ころころころころ,危なげな1つのたまご。 そのたまごはまだ,何の主張もしていないんだ。
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