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だが、その雰囲気を吹き飛ばすかの様に、いつもは存在感の薄い教科書から声が聞こえた。 「義務教育の間は、生活に則した役に立つ事を子供達に教育すべきではないでしょうか?」 と、言ってきたのは、倫理社会君だった。 さすがに倫理君!理にあっている。 「そうですね。難しい事を学ばすよりも、簡単な事でも良いから、 生活に密着した事を、子供達に教育すべきですね。 と、今まで存在を隠していた科学の教科書が理知的に発言してきた。 そんな時である、何処から鼻歌が聞こえたきた。 僕達が、こんなに真剣に悩んでいるのに誰だ? ふざけている奴は!と、僕達は腹立たしい思いで振り返ると それは音楽の教科書であった。 音楽、この教科は高校受験には無い科目だ! 僕達が、いつも無視している教科書だ。 彼女は、いつもお気楽で脳天気で、僕達を悩ます存在である。
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