2人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
9
3
何故、勉強が好きな人と、嫌いな人に別れるのだろうか?
これは、根本的な問題である。教科書の分際で考える事では無いのかも知れないが、此処は避けては通れぬ道だと、僕は感じた。
教科書の名に掛けても!解明したい。
「ここは、私に任せなさい」と言わんばかりに、歴史君が偉そぶって言った。
見ると先程の原始人のページは閉ざされていた。
「我が国には、義務教育の制度がある。逆に云えば、我が国は、
全ての人々が、教育を受けられる権利を持っていることです。
教科書を無料で頂けるのも、その権利のお陰なのです。
しかし、教科書が無料配布になったのも、憲法が制定された、その年からではないのです。私達が子供達に無料で配られる様になったのは、昭和三十八年からです。戦争が終わって十八年も経ってからです。」と、流石に日本の歴史に詳しい。更に歴史君は調子良く言った。どこかの大学教授の様に。
最初のコメントを投稿しよう!