2人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
教科書達の憂鬱(1)
僕は、悩んでいた。僕のご主人様の事で。
僕のご主人は、来年高校の受験を控えているのに、僕に見向きも
しない。僕の顔に落書きはしても、お腹を開いて見てくれない。
そんなに、僕の事が嫌いなのかい!ご主人様。
僕がご主人様に貰われて行ったのは、そう新学期が始まった二ヶ月前だった。。
僕だけじゃ無い、他の教科書も貰った筈なのにご主人様は、
教科書に見向きもしない。「この様な事では高校に行けないよ、」
と、言っても僕の心の声は届きはしない。
僕は、多くの人が嫌ってる数学の教科書だ。
皆から難しいといつも言われる。
「僕に言わないで欲しいよ。
作った人に言ってよ。もっと簡単にしてと伝えてよ。」
と、叫んでいるのが聞こえたのか、
英語の教科書が僕に同情する様に言ってきた。
「君も難しいと言われているね。僕もだよ。こんなの読んでも
最初のコメントを投稿しよう!