行き先の変更

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行き先の変更

free hug 。 よく海外で見かけるが 日本では見たことがない。 「ぎゅっと誰でもいいからしてほしい」 そう思った頭に浮かんだ言葉。 家族とかじゃなくて長年見知った顔からの ハグはキツいもの…、 心がそうなった原因の人なら、なおさら。 私は学校でいじめ…?に似たような、 扱いを受け、先生は私が気にしすぎだと 問題視するようになった。 約束事とが忘れちゃったり 授業夜寝たのにもかかわらず寝たり 宿題をわからないのを聞いたら お母さんに聞けって言われて聞いても 母も同じ。 家族が怖くなった。  何故か同時に、 夜、寝れなくなっていた。 お父さんがいない母子家庭。 忙しくて疲れている母に聞ける訳がない 姉は優秀でバイトもしてる けど、私はなにもしてない。 笑顔だけが取り柄の私。 賢く見える馬鹿なのが私。   分かってるつもりだった。 心が壊れないように口角を あげて笑顔で接する。 ぶりっこと言われようがなんだろうが それをなくしたら私じゃないから。 でも高校生になって 定期制高校に通ったわたしは 心が壊れちゃった。 私と同じような過去を持った子達 が集まる学校で 私は、明るい方だった。 声がうるさくて耳障りで空気も読めない。 その子達からもはずされる。 先生「なんでこの学校に入ったの? もっと、いいとこいけたよー!」 と先生は言うけれど、それは 自分の居場所があればいい。 という意味でここを選んだのに 結局、最初からいないものになってしまう。 私はそれでもまだ心は折れなかったけど 6月の初めくらいに、 電車を待っている時に同級生がいた。 その子は話しかけられるのを 怖がっているよりか私に対して 目を鋭くする。 馬鹿でも分かるよ 私は気づかないふりして乗るがその子は 乗らない。 「間違えたのかな…」 と最初は思ったけど、 それが間違いじゃなくて電車をわざわざ 一本見逃していたことに気づく。 …母に頼まれてモノを届けるため 自分の乗った電車から一度降りて 切符をかってからまた、 同じ車線でまっていたのだか 一本見逃していた子が降りてきた。 そしてその子が 「うわっ」 といったのは忘れもしない。 もう、無理だった。 泣きそうになった。 服装もなにもかも礼儀正しくして きて報われたことも一切なかった。 「キモイ」「媚びてる」「うざい」 一言一言覚えてる。 目が熱くなるけど涙が出ない。 喉がつっかえていく そしてつめたくなる。 でも泣くわけにはいかなかった。 口角を上げて笑えばみんなもつられて 笑ってくれるなんて戯れ言信じながら 私は勝手体が動き出す。 死にたいとかそうゆう感情は どこにもないが、 ただ、誰もいないようなところ でも人肌を感じたかった。 私は昼さがりの電車に、身を任せ free hug という言葉を思い出す。 「近くにあるかな…」 気力ない指で調べた先はちょうど 母のバイト先の近く。 怒られるかもしれない それでも興味がてでしまったのだ。 いくしかない。 私は 少し暖かい車内のすみっこに肩を寄せ 着くまでの道のりの音を聞いていた。 揺れる心地のいい音を私は危険かもしれない けど、傍で感じれるかもしれないと思うと 心がドキドキした。
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