きみとの出会い・・

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きみとの出会い・・

小高く積まれた僕たち・・ 僕らはお昼近くになった頃、とある家の冷蔵庫のドアに姉弟たちと一緒に並んで座っていた・・ この家に住む女性は僕らを透明のケースから優しく取り出すと新しい席に丁寧に並べてくれたのだった・・ 僕らは冷蔵庫の中にいた、食材さんや調味料さんたちに挨拶をした。 「長旅で疲れただろ?」とバターケースの 『バター』さんが言った。 「君達とは凄い確率で一緒に仕事をするからな・・宜しく頼むね・・」と『ひき肉』さんが言った。 夕方近くになると、冷蔵庫の中の住人は慌ただしくなる・・ 僕は冷蔵庫のドアが開くたびにある場所が気になっていた・・ カウンター横で白い湯気を出している物体・・ 『バターさん』に尋ねてみた・・ 「あれは・・?」 「あれか?あれは・・炊飯器だ・・お米を炊く機械だ・・」 「お米を炊く機械?」 「あの中には『新米』という名のものがいてな・・今、熱い水の中でキラキラと光る『ごはん・・白米』に変身しているんだよほら、もうすぐ、炊き上がるぞ・・」 暫くするとピーピーと音が聞こえた・・ 「今度、冷蔵庫のドアが開いた時に白米さんを見れればいいな・・」と淡い期待をする僕・・ しかし、その時は突然やって来た。 女性が開けた冷蔵庫のドアから、炊飯器のふたが開き、中から、キラキラと光る『白米』がお茶碗に移されている姿・・ 「なんて、真っ白な・・」僕は彼女の白さに驚いた・・ 夕食時間になり冷蔵庫のドアの向こうでは楽しい夕食の宴が開催されている・・ 冷蔵庫のドアが開いた・・、女性の手が僕の姉に触れた・・姉は嬉しそうに席を離れる・・ 姉はお茶碗に継がれた、白い白米の上にコツンと音を立てその後着地した・・ 「白米とたまごの出会い・・『卵かけごはん』」姉は濃い黄身の色をしており、女性の周囲の人達から「美味しい」と言われていた・・・ 翌日には、弟は『コロッケ』を作るためにひき肉さんと玉ねぎさんを上手に繋ぐ役目を終えた・・ 僕の姉弟はみんな楽しそうに旅を終えて行った・・ いよいよ僕の番がやって来た・・ 冷蔵庫から取り出された僕は殻から出されると小さめのお椀に移される。 隣から声が聞こえて来た・・ 「ねえ、たまごさん・・これから・よろしくね・・」隣から聞こえた声は 『白米』さんだった。白米さんは僕が見た最初の印象とは少し違っていた・・ 「白米さん、少し疲れてるの?」と僕は聞いてみた。 「昨日、炊いてもらったから・・水分が抜けてきてて・・だから、これから、リメイクしてもらうの・・」 「リメイク?」と僕は彼女に聞き返した。 「そう・・リメイク・・君と一緒にね・・」 彼女『白米』さんとの出会い・・ 僕の『たまご』の旅・・・
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