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覚えているのは、暗闇の中でドアがバタンッと乱暴に閉まる音と男の荒い息遣いだ。自分のものか、相手のものかなんて知らない。たぶんどっちもだ。
「ンふぁ……っあ」
目が闇に慣れてくる前に、顎を掴まれてキスされた。歯がガチッとあたるほどの荒々しい口づけを交わしながら、靴も脱がずにベッドの上に背中から転がされた。
続けて相手の体重が乗ってくる。硬いマットレスが沈み、ギシリとスプリングが軋む。
飢えた獣が餌を貪るように互いの唇を濡らしながら、フォルカとガイは舌を絡ませ合った。男の唾液が甘く感じた。服を脱ぐことさえ煩わしかった。
「は、やく……っ!」
きて、と言おうとした瞬間、下着ごと膝まで下ろされた。下半身を腹につくほどに折られ、大事な部分が男の前に晒される。触ってもいないのに、フォルカの芯も後ろの窄みも先走りと愛液でぐちゃぐちゃに濡れている。
アルファのそこがほしい。今すぐ腹に突き立てて、奥をこねくり回してほしい。淫らな穴がヒクヒクと痙攣し、待ち遠しくてたまらなかった。
ガイは潤んだ窄まりに舌を入れ、音を立てて舐めた。押し入ってくる舌に蕾を舐められただけで、背筋に電流が走る。
「や、ぁン……っ。は、あァ……っ!」
気持ちいいけど、足りない。もっとほしい。突き破るほどの衝撃を内壁から感じたい。
フォルカは泣きながら「きて」と訴えた。
「ここに、入れて……っ。僕の、ここ……っ早く、ズボズボしてぇ……っ」
窄まりを男に見せつけるよう、二本の指で広げた。羞恥心なんて、少しも胸になかった。
ガイは苛立ったように舌打ちすると、太ももの付け根まで自身の下着とパンツを下ろした。目が慣れてきたのか、ガイの顔が薄暗い部屋の中で浮かび上がる。
ガイの目は焦点が合っていなかった。獣のように低く息継ぎを繰り返し、暴力的なほどに勃ち上がった肉棒をフォルカの窄まりに突き立てた。血管の浮いた陰茎が、自身の肉を割って押し入ってくる。
バチンッと熱い杭が打たれた瞬間、フォルカは息の仕方を忘れた。
「あ……っ!」
目を見開いたまま、挿入された男の熱を感じる。軽く果ててしまったらしい。フォルカの天を仰いだ小ぶりの陰茎からは、少量の精液がたらたらとにじみ出ていた。
オメガの男にとって、陰茎はお飾りみたいなものだ。それでも触れば感じるし、果てれば敏感になる。
ガイはフォルカのそこを手で包み込んだあと、腰を激しく突き動かした。揺さぶられる反動と一緒に、敏感になったそこをガイの手が上下に扱いてくる。
「ンあっ、だめっ、それ……っは、ァんっ」
強い刺激に目の裏がチカチカと光った。だらしなく開いた口からは、色情にまみれた喘ぎ声と涎がこぼれ続けた。
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