オメガ王子はごろつきアルファに密やかに愛される

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 男はそのあとも、前後に腰を打ち付けてはフォルカを揺さぶった。汗で濡れた肌がぶつかるたび、奥に与えられる衝撃がたまらなかった。子宮に届くほどの長さを抜き挿しされると、腹の奥がきゅんと疼いた。  そうしているうちにフォルカは裏返され、うつ伏せにさせられた。動物の交尾のように、後ろからガツガツと体内を掘られた。  それまで黙っていた男の口から「……ックソ」と漏れるのを聞いたのは、それからすぐのこと。自身の窄まりを押し広げる熱杭が、体内でより一層硬くなる。それが死ぬほど気持ちよくて、怖くなった。 「やっ、ああッ……っはあ、あン……ッイク、イっちゃう……っ!」  イヤイヤ首を振ると、男の手がフォルカの頭を枕に沈めた。鼻や口が枕に埋もれて苦しい。逃げられない状態に興奮する。もっと自分をえぐってほしいと願わずにはいられない。  男の激しい抽挿に酔っていると、男の荒い息が落ちてきた。タートルネックの上から、がぶりとうなじを噛まれる。本能に支配された頭に一瞬ドキッと理性が戻ってきたものの、幸いにもタートルネックの下には番防止用の首輪があるのだ。  フォルカはすぐに理性を取っ払い、男の嚙み込みを欲の材料に変換した。男はタートルネックと首輪を引きちぎるように歯で噛みながら、フォルカの後孔を犯し続けた。 「はぁっ、あっ、ンッ、もう、イク……っイク……っ!」  同時に内壁を擦る抽挿のスピードが、より激しくなった。耳元に聞こえる男の荒んだ呼吸音も、間隔が短くなっていく。 「……イケよ」  耳元で低い声に囁かれた瞬間、無意識のうちに男を締め上げてしまった。  激しい絶頂が全身を駆け巡る。下半身の緊張が一気にほどける。 「あっ……ンああぁあっ!」  声を抑えられない。男の熱と形が痛いくらいに愛おしい――。  男は首輪に覆われたフォルカのうなじにかぶりついたまま、後ろから口を覆った。声を抑えるためだろう。苦しいけど、今の自分にはそれさえも興奮を煽るものにしかならなかった。  波のように断続的に襲ってくる絶頂に、ビクビクと全身を震わせる。フォルカは自分の口を覆う男の手をぺろりと舐めた。汗のしょっぱさが舌に乗る。  舌の誘いに、男の中指と薬指が口内へと入ってくる。熱く熟れた舌を男の指に弄ばれているうちに、再び淫らな衝動が下半身に集まっていくのを感じた。 「キス、したい……っ」  指が口腔から引き抜かれたあと、フォルカは自然と口を衝いていた。  応えるように、男の指がフォルカの顎を掴んだ。くいっと後ろを振り向かされる。楽な体勢とはいえなかった。  落とされたのは唇。さっきまでの行為の延長とは思えないほどの、優しいキスだった。
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