1 神祇の娘

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ため息をつく黒藤。 現在、その二人は厄介な状況にある。 だが黒藤たちが関わる人物では、今のところない。 「……今、在義にひとつ案件を回しています。小路からの命令で。それに在義は、貴女の弟を巻き込んだようですが?」 「あの子ならうまくやるでしょう。わたくしはあの子には関わるつもりはありませんわ」 「ならいい。下手に干渉されるとやりにくいんで」 「これでも黒藤さんと白桜さんに救われた身ですわ。先ほども言いましたが邪魔はいたしません」 「重畳(ちょうじょう)。またなんかあったら呼んでください。ここなら会えるだろうから」 「そうしますわ。ああ……本当に夜々ちゃん可愛い……早く咲桜の母になってほしい限りですわ」 「……あんたの娘の女好きってあんたからの遺伝?」 「否定はいたしませんわ」 否定してほしかった。すごくいい笑顔で言われた。 ……まあいいか。華取桃子の娘にも、神宮美流子の娘にも関わらないだろうし。
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