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「だ、め……遥」
「何がダメ?俺のだってつけんのが?」
遥の言い方は意地悪だ。遥はこうやって私につけた痕が一つ消えるたびにまた一つつけていく。それだけでは飽き足らず遥の大きな掌が私の背中の中に入れられ、すぐにブラのホックが外される。
「ダメだよっ、桜見に行きたいの!」
「えーっ……この間有桜と見たじゃん」
「この間、その……遥が迎えにきてくれたのが嬉しくて、そのあんまり桜見てなくて」
「あ、たしかに俺のことばっか見てたよな」
「や、やめてよ……」
遥が柔らかい黒髪をガシガシと掻きながら困ったような顔をした。
「うーん……考えたけど、やっぱ無理。有桜と二度寝したい」
「どうせ寝ないくせに……」
「ヤルことヤったら、ちゃんと寝る」
「遥っ」
遥と再び一緒に暮らし始めてから10日。私が製菓学校に通い始めてから初めての週末だ。私は遥と久しぶりにどこか出かけられるのかと密かに楽しみにしていた。
「だって遥も今日土曜日だけどお休みでしょ?」
インテリア家具販売及び施工を行う会社で働いている遥は先週末の土曜日は仕事だった。
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