短編集~プリズム 一人多い?

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 爛漫(らんまん)という言葉がぴったりな桜を見た日の夜、部屋で少し休んだ私は、夕暮れが近づく頃、ホテルを出て駅に向かった。  これから夜景の綺麗な場所へと向かう観光バスを待つのだ。  駅前には観光客が大勢いて、この街が魅力的だと教えてくる。  「すごいな……」  住んでいる街の近くには、北海道の中心都市がある。駅や繁華街はいつも混雑している。  観光客だけでなく、働いている人も多くて、北海道で一番の街だと歩くだけで分かるほどだ。  でも、今、見えているのは、その混雑に負けないくらいの人混みだ。  家族だったり、友人同士だと思われる集団が楽しそうだ。そして、私と同じ一人の観光客もそれなりにいる。  自分だけでないと思うと少し安心する。  バス停で待っていると、夜景がラッピングされた観光バスがやってきた。
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