短編集~プリズム 一人多い?

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 その車体を見るだけで楽しみになってくる。  バスガイドさんに迎えられてバスに乗り込む。ドライバーさんに軽く頭を下げてから指定された席へと向かう。  一人だから、隣りに誰かが座るのでは、と少し心配したけど大丈夫だった。  満席というほどの混雑でなかったので、二人掛けの席に一人で座れた。  それほど長い時間乗車するわけでないから、隣りに誰かいてもいいけど、外を見たいので、もし、話し好きな人だったら少し困ると思っていた。  安心すると、外を見る余裕が出る。  いつも利用する、路線バスよりもさらに視界が高い。  昼に乗った路面電車とも見える位置が違う。  遠くの景色も綺麗に見えそうだと、期待する気持ちで窓に近づいた。
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