卒業後編Ⅱ

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<楓翔side> (そろそろ受験か……) そんなこんなで中学校三年間はほとんど登校しなくて。 でも受験期っていうのは嫌でもやってくるもので、俺も進路を考えなければいけなかった。 でも将来何をやりたいとか全く考えていなくて、勉強してない俺が頭のいい学校に行けるわけなくて、結局自分の身の丈に合った学校を選ぶしかなかった。 就職っていう手もあったんだろうけど、こんな俺が働けるわけないからな。 受験の時だけは図々しく学校の先生に手伝ってもらって、第一志望の学校と、あとは滑り止めの学校を受けて。 毎日教科書を見続けたおかげか、運よく第一志望の高校に行けることになった。 お金は父親がこれでもかってぐらい置いていってくれたから、授業料とかに困ることは無くて。 必要な分は、自分で銀行まで振り込みに行った。 「学校、ちゃんと行けんのかな……」 合格したことは純粋に嬉しかったし、無事に進路が決まったことも良かったって思ってたけど、それよりも俺は不安で仕方がなかった。 いままで碌に学校に行っていなかった俺が、高校生になったからって急に変われるわけがない。 授業だってさっぱりだろうし、友達なんて作れるわけがないって思ってた。 そもそも作り方知らなかったし。 高校なら同じ学校だったヤツも少ないだろうし、環境もそれなりに変わるだろうなって思って進学を選んだんだけど、結局不安がなくなる事なんて一度もなかった。 正直、受験したことを多少なりとも後悔したことだってあった。
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