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<楓翔side>
せんせーは、俺にお菓子をくれて、こんな俺と嫌がらずに話してくれて。
そんなせんせーからの温かさで愛って何なのかを初めて知った。
こんなこと言ったらせんせーは怒るかもしんないけど、せんせーとヤってる最中に、せんせーが俺のこと抱き締め返してくれた時、せんせーの体温で愛を知った。
せんせーから突き放された時に覚えた虚無感みたいなものに、寒さに、今まで感じていたあの温かさは愛なだったんだって知った。
卒業式の後、せんせーに抱き締めてもらった時に、またせんせーからの愛を知った。
せんせーからしてみれば、あれは仕事の一環だったのかもしれない。
何でもないことだったのかもしれない。
でも俺にとっては、初めて他人からもらった、愛だったんだ。
俺のことを受け止めてくれて、俺のことを想ってくれて。
それが何よりも嬉しかったんだ。
そんな感情を、愛って感情を初めて教えてくれたのは、他でもないせんせーだったんだ。
「俺……今まで愛って知らなかったんだ。親から愛されたことなんて一度もなかったし。付き合ってたヤツもいねぇし。でも先生が教えてくれたんだぜ。先生が……俺を想ってくれたから……」
「神崎くん……」
「だからありがと。俺、せんせーと出会えてよかったよ」
「それはこちらのセリフですよ」
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