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「あっ……ひろと、く……っ」
「ぁに?ひもひー?(なに?きもちー?)」
「おふろにも……っ、入って、な……っ、んっ」
「ぁからひにひぁいっへ(だから気にしないって)」
俺とヤってるんだから俺だけに集中して欲しいのに、こんなことしてる最中でも真弥さんには色々気掛かりなことが山のようにあるらしい。
それがなんとなく悔しくて、俺のことだけ見てて欲しくて、俺はさらに強く吸い付いて、口の中に収まりきらないところを手で擦った。
裏筋を舐めて、たまに鬼頭を刺激して、もうすっかり知り尽くしてしまってる真弥さんの気持ちいいところだけを攻め続ける。
こうしたら、真弥さんもさすがに他のこと考えらんないでしょ?
ちょっと強気に攻めてみたら待ってとか辞めてとか色々真弥さんの口から溢れてきてたけど、そんな言葉聞いたぐらいで俺だって止まる気はない。
今は真弥さんと俺だけの時間なんだから。
俺のことだけ見て。
俺のことだけ考えて。
俺のことだけ想ってよ。
「ひろ、あっ、やだ…っ」
「…………ふっ、っ」
「まって、まっ、ぁあ…っ、」
「……いひほぉ?(イきそう?)」
「あっ、もぉっ、…んっ、あっ、あああっ――――」
そんなことを考えながら、ただ真弥さんのことを気持ち良くすることだけ集中してたら、俺の気づかない間に真弥さんは限界を迎えていたらしい。
俺の質問に返事する前に、俺の口の中に生暖かいものが勢いよく飛び散った。
突然のことに一瞬反応できなかったけど、今まで何度もフェラはしてきてるんだから慣れたもの。
いつもより多く感じる白濁を全部吸い出して、舐め取って、それを見せつけるみたいにしながら真弥さんの目の前で飲み込んだ。
おまけに舌なめずりをして、ちょっと笑ってみる。
「……っ、悪趣味、ですね…っ」
「もう何回もしてるじゃん?」
「やられるこっちの身にもなれって話ですよ!」
頬を真っ赤にして涙目になってる真弥さんに睨みつけられたけど、可愛いとしか思えない。
不服そうな真弥さんよそに、俺はベッドわきの棚の中からローションとゴムを取り出した。
久々だしちゃんと準備しないとね~。
「楓翔くん、それ……」
「ん?あぁ、そう。買ったの」
「ご自身で、ですか……?」
「俺以外誰がいるの」
前に真弥さんとヤった時は、必要なものは全部真弥さんが用意してくれてたもんね。
まさか俺が色々準備しているとは思っていなかったらしく、さっきの上気した頬はどこへやら。
真弥さんは素っ頓狂な声を上げて、俺の手の中の物を信じられないという目で見ている。
俺だってもう高校卒業したんだし、これぐらいできますー。
というか十八超えたんだからもう大人扱いでしょ。
俺が買ってたって違和感ないじゃんか。
「まぁ真弥さんからしてみれば俺なんてまだまだガキか」
「いえ、その、何と言いますか……」
「性欲ばっかで何にも考えてないとか思ってた?」
「そんなことは……!いや、多少なりともありましたけど……」
「あったのかよ」
避妊具こそ恥ずかしげなく買えるようにはなったものの、俺もまだまだ子供らしい。
まさか真弥さんに性欲の塊だって思われてたなんて。
あながち間違ってもいないけど。
ちょっとショックかも……。
確かにヤりたいヤりたいって言いまくってた記憶はあるけどさ。
そんなに性欲だけぶつけてたわけでもなかったんだけどな。
「教師にも教師なりに思うところがあるんですよ」
「ふーん……」
「現に生徒に手出してしまってるわけですし……」
「あぁ、前もいろいろ気にしてたねそういえば」
「結構重大な問題なんですからね!分かってるんですか!」
俺だって真弥さんに対していろんな気持ちを持ってたし。
断じて!決して!性欲だけじゃないからな!
きっとそれと同じくらい、真弥さんも俺に対していろんな気持ちを持ってたし。
でも結局根本にあるのは一緒だったってことだよな。
真弥さんは俺のことを汚したとか、マイナスな選択をさせたんじゃないかとか、まだ色々気にしてるみたいだけど、そんなの何だっていいじゃん。
いつの間にか真弥さんの手元にあったシーツを取っ払って、俺はもう一回真弥さんのことを押し倒す。
「俺たちもう両想い、それだけでよくない?」
「楓翔くん……」
「好きだよ、真弥さん」
「私も、です」
「うん、ありがと」
今までずっとダメだって言われ続けて、色んなこともあって、このまま永遠に「せんせー」としか呼べないのかもって思った時もあったけど。
今は、せんせーじゃない真弥さんが、俺の目の前にいる。
俺のことだけを見てくれている。
真弥さんも、真弥さんとの時間も、全部全部、これからは俺だけの物なんだ。
そう思うだけでめちゃくちゃ嬉しかったし、めちゃくちゃ満たされるような気分になった。
生まれて初めての、俺の好きな人が俺だけを想ってくれることのありがたさに、ちょっと泣きそうにもなった。
頬を真っ赤にしつつも視線だけはずっと合わせてくれている真弥さんに、俺は囁いた。
「抱かせて、真弥さん」
「…………は、ぃ」
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