卒業後編Ⅰ

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<楓翔side> 「なぁせんせー、今週末うち来てくんねー?」 「え、……いや、でもそれは……」 「お願い。せんせーからすれば俺とせんせーはまだ「生徒と先生」なんだろうけど、でも……お願い」 「……分かりました」 本当なら今日の放課後に、って言いたいところだけど、今日はクラスの打ち上げ行くって約束したし、それをドタキャンするわけにはいかない。 「そんなことするかよ」って教室で大口叩いてきたところだしな。 だから、せんせーもまだ忙しくないだろう(って俺が勝手に思ってる)週末に、俺の家に来てくれるように約束を取り付けた。 折角、ようやくせんせーが俺のことを受け入れてくれたのに、せんせーは俺のことを理解しようとしてくれているのに、俺がこのまま俺のことを隠し続けるわけにはいかない。 せんせーの隣にいたいから、ちゃんと話さなきゃな、俺のこと。 「これ、俺の家の住所書いてあるから。まだL〇NEは交換してくんねーんだろ?」 「わざわざありがとうございます。L〇NEはもう少し待って下さい」 「……でもいつか交換はしてくれるんだ」 「その方が便利じゃないですか」 「まーね」
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