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1.昔話をしようか
小林朔太、中学三年生。
俺は今、この街の有名スポットである大きな桜の木の下にいる。理由は、幼馴染を待つためである。
幼馴染の三島 春は、同じく中学三年生。同じ中学校に通う、俺の友達である。
今日、俺は春に告白する。そう、心に決めてきた。
この桜の木は、俺と春が最初に出会った場所であり、春が大好きな場所であることも知っている。
こんな素晴らしいスポット、告白の場としては最高ではないか?
今日は暖かな春の日差しが地面を照らす。満開に咲く桜の木から、木漏れ日がきらきらと輝く。優しい風が頬を撫でる度に、きらきらとした光が俺の頭に降りかかった。
来年、俺と春は高校生になる。だが、俺と春は同じ学校に進学しないのだ。親の仕事の事情で少し離れた県に引っ越すことが決まっている俺は、密かに他県を受験した。
寂しくて、友達にも言えなかった。合格発表があった後、ようやく伝えると心底驚かれた。仲の良い友達には伝えたと思う。最後は、春だけ。
春には引っ越すことと同時に、告白しようと決めていた。ずっと、気持ちを伝えることを楽しみにしていたから頑張れた。
きっと、春も同じように思ってくれている―――
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