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――いやはや、なんて可笑しな悪夢だろうか。
目が覚めた時、オムレツはちゃんと布団に変わっていた。薬が威力を発揮してくれたようで、痛みはすっかり消えている。まだ少し頭はぼんやりしていたが。
寝汗を拭い、一つ溜め息を吐く。夢で良かったと安堵し――つつも仕切れていない自分に気付いた。
和佐は敏い子だ。私の苦労をきっと理解している。だからこそ、数多の本音をつぐんでいるはずだ。
愛も感じてくれているとは思うが、求めている分を与えられているかは正直自信がない。
あーあ、嫌われたくないなぁ~
嘆きながら、纏った湿り気を飛ばすべく布団を蹴りあげる。大の字で仰向けに――なったところで、脳内へ泣き声が入ってきた。
あれ、私起きたよね……? 少しの間、疑問符を頭上で回す。だが、急に現実を自覚し飛び起きた。
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