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ふわとろオムレツ
フライパンの中、溶けだしたバターの香りが弾けた。火加減は中火、卵液は確りと濾してある。
準備は万端だ。ゴムベラの先に液をくっ付け、少しだけ落とす。ジュッと心地よい音で、こっちも準備は整ったよと合図をくれた。
ボウルの中の卵液全て、フライパンへと委ねる。空気を含ませるよう、混ぜながら火を通して行く。
この辺は培った勘を発動させ、半分ほど固まったら火加減を弱へ変更だ。そしたら傾けたフライパンとヘラで、玉子をでんぐり返しさせながら端に追いやる。最後は継ぎ目を焼いてくっ付け皿へダイブ! はい完成!
「ママすごーい! きれーい! おいしそーう!」
右側からの声へ、自然に笑顔と視線を送る。着席したオムレツへ、煌めきを注ぐのは娘の和佐だ。ポテトサラダを混ぜていた手はすっかり止まっている。
「ありがとー! 今日も上手に出来た!」
歯を見せピースすると、和佐は私を丸写しした。
「さてさて、ラストスパート行きますか!」
「いくー!」
手を上げた和佐は、ステップ台から小さくジャンプする。冷蔵庫を開く小さな背へ笑み、サラダの続きを引き継いだ。
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