束の間の幸せ(加筆修正版)

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「べつに見られても構わない、むしろ誰かに見られた方が好都合だ。俺は情婦しか愛さぬと、皆に誤解されているだろうから」  (たく)ましい腕がするりと太腿を滑ると、ドレスの下から覗くシュミーズがめくれて白い肌が剥き出しになった。 「でもっ、人に見られたら、は……はずかしいです」 「ならばこのまま、エリーを抱えて寝台まで行こうか? エントランスの階段を上がって、回廊を歩いて」 「それも恥ずかしいですっっ」  (すが)められた瞳が悪戯に笑う。  昼間の回廊には使用人たちが(せわ)しなく行き来している。アレクシスがエリアーナの動揺を面白がっているのは明白だ。 「キスしてもいい?」
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