《Letter-Green》けれどその結末は切なく哀しい

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「百年も前に絶滅してしまったからな」 「フレイアは、嵐の夜にだけ羽化ができる。雷光の力を借りて……そうでしょう?」 「逆に彼らは雷光がなければ羽化できない。もともと希少種だったうえに、世界的に日照りが続いた異常気象のせいで、その種を絶やしたと言われている」  ——————可愛いわね。    光のようにかがやく微笑みを浮かべながら——時々ふふ、と小さな声を漏らして、エリアーナは幻の蝶フレイアと戯れる。  レオンの遠い目には、眼鏡(メガネ)の奥に隠した美しい瞳をきらきらと輝かせる編入生、エリアーナを映していた。 「そう。あの日もレオンは誰もいない廊下で、こんなふうにフレイアを見せてくれたの」    ——————そう。  あの日は暗く沈みきった編入生の気分を晴らそうと……ただ、それだけのつもりだった。なのに俺は、君を——。
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