《Letter-Green》けれどその結末は切なく哀しい

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 ——母親がいつ、なぜ亡き人となったのか。  その事には言及せず、互いの心の中にそっとしまいこむ。  エリアーナと同じくレオンもまた、触れられたくない過去の苦い想い出を抱えているのだった。 「アネットの言うことは気にするな。死んでも安心しろだとか根拠も示さず俺を救うだとか……治癒を為す聖女であっても死人(しびと)となれば手を引くと言うのに。とにかく矛盾だらけだ、彼女の妄想の域を出ない」  想い人と問題児に翻弄されるレオンの(かたわ)らで。  歩き出したエリアーナには、アネットの妄言に加えて守護妖精のルルが残した警告じみた言葉が不安に追い打ちをかけてくる。  アネットの妄言だけなら、レオンが言うようにただの妄想だと割り切れたかも知れないのに。 「だがもしもおまえが危なくなったら俺が助ける。約束する」  真摯に向き合った背高い体躯がエリアーナを包むように大きな影を落とす。
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