《Letter-Green》けれどその結末は切なく哀しい

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「ン? まさかここで告白の返事を聞けるとか?」  声色は明るいけれど、精悍な表情がわずかにこわばったのがわかる。  いつでも堂々と胸を張り、怯まず、威勢を放つ優等生レオン・ナイトレイが、柄にもなく緊張しているのだ。 「私ね——結婚しているの。だから」  エリアーナが顔を上げ、次の言葉を紡ぐ。  ブルーの虹彩が見開かれる。その表情はにわかに影を帯び、レオンの形の良い唇が一文字にぐいと引結ばれた。
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