落ちこぼれの守護妖精

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 湯浴みを済ませたエリアーナは、人目がないのを良いことに寝台にごろりと横になる。  アレクシスはと言うと、屋敷に戻ってからずっと執務室にこもりきりだ。  エリアーナの寝室で眠るようになってからも、時々こうして明け方に至るまで執務に没頭するため身体を壊さないかと心配になってしまう。 「クロードには『もう大丈夫』って言ったけど……」  私ね、結婚しているの。だから———。  夕刻の学園で、意を決して打ち明けた『事実』。  なのにレオンはすんなりと受け流してしまった。  碧い目を見開いて驚いたそぶりを見せたものの、『好きになった人にたまたま配偶者がいただけだ』と言った。  『一方的に想うのは俺の自由。この気持ちは当分変わらない』  なんて揚々と宣言したのだ、余裕さえ感じさせる笑顔まで見せて。
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