クナモテア

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隣のアンネはぽかーんと口を開けて、オーリュウの家を見上げていた。 まあ、そうなるわ… でも、こんなにデカいと温泉も期待出来そうだ。 「ちゃんと大きな温泉もありますよ。安心して下さいエメさん」 オーリュウはそう言って、御屋敷…いや城の大きな門の前に立っている魔人の門番に近づいていく。 すると、城の大きな門がゆっくりと開き始めた。 …ん?心の声が漏れていた? と怪訝な表情を浮かべていると、オーリュウが再び私とアンネのところへと戻ってきた。 「さあ、中へどうぞ」 オーリュウがそう言って、私たちを城の周りに広がる庭園中へと誘う。 その庭園の真ん中をオーリュウのあとについて歩いて行き、城の門の前に辿り着く。 すると、すぐにその門がひとりでに開いた。 そして、中から誰かが現れる。 メイドの格好をした女の魔族だ。 「おかえりなさいませオーリュウ様。そちらが例のお客様ですね?」 「ラストア。この方々を丁重におもてなしするように。私は少し自分の部屋へと戻る」 オーリュウがメイド姿の女魔族に指示を出した。 オーリュウにラストアと呼ばれたメイドは分かりましたと頷く。 「すみません。用事があるので少し失礼します。とりあえず、今日はここでゆっくりとして下さい。また、明日以降に私の城へと案内しますので」 と言ってオーリュウが私たちに会釈をし、私たちから離れていった。 …おいおい、私の城に案内するって、ここも充分に城じゃねーか? なら、私の城っていうのは一体どんなにデカいんだよ… と心中で呆れていると、ラストアというメイドが私たちの前に立つ。 「本日は遠いところからお越し頂きありがとうございます。先に今夜お泊まりいただく部屋へと案内しますので、私について来てください」 そう言って、メイドが城…いやオーリュウにとっては家か…?まあ、その家の廊下を歩き出した。 私とアンネはそのあとを黙ってついていく。 すると、急にラストアがピタリと止まって、私たちの方に振り返った。 「…失礼ですが、何でお二人いるのですか?事前に聞いた話ではお一人だと伺っておりましたが…あと、ドシー様は一体どこへ?」 ラストアの質問に私とアンネは思わず顔を見合わせた。 …ん、これは私たちが説明するのか? おーい、メイドに説明するのを忘れてるぞオーリュウ様…
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