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Episode2.ウェイスト部
キーンコーンカーンコーン♪
学校のチャイムが鳴り、ウェイスト部に向かうヨシキ。
階段を上がり、可愛い先輩(鴨川ミネコ先輩)に言われていた部屋へと向かっていた。
扉を、開けようとすると、何か、ベタベタする…。
「なんだコレ………?」
ヨシキが、匂いを嗅ごうとすると、……
「あっ、それは、ニスよ!気をつけて。」
背後から、話しかける鴨川先輩。
ビクッと驚く、ヨシキ。
「は、は、は、背後から話しかけないで下さいよぉ………‼︎」
ヨシキは、鴨川先輩に向かって言う。
「ふふ。ごめん、ごめん。驚いちゃった?」
そう笑う、鴨川先輩。
っつ、……………、可愛い。やっぱり、かわいいぞぉい‼︎
気を取り直して、ヨシキは、
「な、な、何で、こんなところにニスなんか、塗ってあるんでしょうか?トラップか、何かですか⁉︎」
そう聞いてみる。
「さぁ?…なんででしょう?…」
と、
「強いて言うなら、………「無駄」だからじゃ、ないでしょうか?」
と、鴨川先輩は言う。
「………。無駄………。だから、???」
良く分からないが、鴨川先輩的には、これは普通の事らしい。
「あ、ちなみに、ニスとは、樹脂と溶剤を主成分とし、溶剤が揮発して乾くと、素材の表面に樹脂の膜を形成する塗料のことよ。」
鴨川先輩が言う。
「は、はぁ…………???」
ヨシキが説明を聞きながら言う。
「ふふ。無駄なうんちく、だったかしら?」
そう言う鴨川先輩。
「いえ、そんな事ないですよ。。。?」
そうフォローを入れるヨシキ。
「そう。…それは残念ね。」
残念そうに言う鴨川先輩。
あっ、あっ、あれ???
フォローを入れたつもりだったんだけどなんか、鴨川先輩、悲しんじゃったぞ?
どういう事だ⁇
ヨシキは困惑した。
「まぁ、いいわ。私も、まだまだって事ね。部室へ入りましょう。左側の扉には、ニスは塗ってないと思うわ。」
そう言って、鴨川先輩は、左側の扉から部室へと入って行った。
ガラガラガラ……。
引き戸を開けると、部屋全体の床に黒いシートが敷かれていた。
そこの中央に座って何かをする男の先輩(頭に、りんごを乗せて揺れていた先輩)がいた。
「ちわっす。」
挨拶をする先輩。
「ちわっす。」
挨拶をするヨシキ。
「コレは、何をやってるんですか?」
ヨシキが鴨川先輩に聞いてみる。
「これはね、ウェイスト部の第一種目、『つま並べ』よ。」
鴨川先輩は言う。
「…………、つま、…並べ…………???」
聞いた事の無い言葉に、ヨシキは思わず聞き返す。
「正式名称は、「爪楊枝ドミノ」って言って、ウェイスト部では、かなりポピュラーな種目の一つよ。」
鴨川先輩は言う。
ちょっと意味が分からない…。そう思ったが、ヨシキは我慢した。
「吉田くんが、手本でやってみせるから、ちょっと見ててくれる?」
鴨川先輩が言う。
吉田先輩は、専用のケースから、カラフルなプラスチックでできた爪楊枝(つまようじ)を、手に束で持つ。
鴨川先輩は、右手にストップウォッチを持って、笛を口に構えた。
そして、
「よーい……、」
ピー〜〜〜ッと、開始のホイッスルが鳴らされた。
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