告白~続編~

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告白~続編~

「私と離婚してください」 この言葉を絞り出すのにどれだけ時間がかかったことか… 6年前、彼もこんなに時間をかけて私に思いを伝えてくれたと思うとなんかとてもほっこりした。彼から告白されたとき、私はすごく嬉しくてこの人となら幸せになれると思った。デートのときは、積極的にリードしてくれて、私の笑顔を見るのが好きだといつも笑わせてくれた。家族とも仲がよく、本当に素敵な人だと思った。 でも………… 彼は、ある日を境に私を避けるようになった。私には、思い当たることがある。 それは、私が病に倒れ、余命2ヶ月と宣告されたことだ。それを彼に伝えてから、彼は変わった。 最初の頃は、僕が早く異変に気づいてれば…と自分を責め、私の入院生活が始まった頃には、私に申し訳無さがあったのか、あまりにも突然の出来事に、まだ頭の整理が追いついていなかったのか、彼の目はいつもどこか寂しそうで、入院が始まって2週間ほどはそれでもお見舞いに来てくれていたけど、それ以降は来てくれなくなった。 そんな彼を見ていた私はギュッと胸が締め付けられ、あんな悲しそうな彼をもう見ていられないと思った。もし今度、彼がお見舞いに来てくれたら、彼に離婚を告げようと思った。私なんか忘れて絶対に幸せになって欲しいと思ったから、 でも、それから1ヶ月経っても彼はお見舞いに来てくれることはなかった。その間にも、私の余命は刻一刻と迫ってきている。 残り2週間…… 私はこの思いを手紙につづった。 彼は来てくれなくなったものの、中学、高校の友達や父と母がいつもお見舞いに来てくれた。すごく嬉しくて、ありがたかった。それでも彼のことを片時も忘れることはなかった。 1日があっという間に過ぎていく。その日も、時間は夜になり、面会の終了時間になった。みんなが帰ってしばらくしたあと、なんかこっちに足音が近づいてきていることに気づいた。私はこんな夜遅くに誰だろうとビクビクしながら布団に潜った。その足音は私のベットの前で止まった。心臓のドクドクと言う音が激しくなった。その瞬間、カーテンが開かれた。私は布団の中に潜って息を潜めていた。 「僕だよ」 彼が、来てくれたのだ。でも、わざわざなぜ、こんな夜遅くに来たのかは不思議だったけど、あえて聞かなかった。 「しばらくこれてなくて、ごめんね」 久しぶりに聞く、彼の優しい声。私は涙が溢れた。その間も、彼は優しく「大丈夫。大丈夫。」と背中を擦りながら言ってくれた。私は、うつむいたまま、言った。 「離婚しよう」 彼は優しい表情のまま背中を擦り続けてくれた。
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