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「カズ君の行きたいところでいいよ」
さっきまではカズナガ君と呼ばれていたのに、急に親しげに名前を短くして呼ばれて、嬉しいやら恥ずかしいやらで一瞬戸惑った。
「ごめん、びっくりさせちゃったかな。でもこうして男子とデートするなんて初めてだから、名前、短くしちゃった。嫌だった?」
長い髪を揺らしながら覗き込むようにして俺の顔を見てきた。いたずらっ子ぽく笑う彼女の顔を直視できず、思わずお顔をそらしながら「いや、全然。それでいいよ」と返した。
(続く)
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