初月

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月が欠けてまた満ちるように、 貴方を救いたい夜と、貴方に救われたい夜が交互にやってくる 貴方には僕が……… そう揺るがない夜と 僕には貴方だけ……… そう揺さぶられる夜が、心を締め付ける 折れそうな三日月の夜、僕に抱かれ眠る貴方は紛れもなく僕だけの貴方で 僕のいないところで、満月の光を浴びて輝く貴方は手の届かない存在になる 月が輝けば輝くほど貴方が遠くなる気がして、窓を閉めてその輝きを忘れようとするんだ 確かに隣にいたはずなのに…… その温度も感触も、この手に残っているのに……… 一人取り残された僕は、光の届かない部屋の中 揺らめくキャンドルの灯りを見つめながら、貴方への想いを歌にする 次の初月が早く来ますように 僕の元へ貴方が戻って来ますように あの滑らかな白い肌に触れて、包まれて、眠りたい……… どうか………その重い扉が開いて、貴方が春風と共に現れますように 繰り返す願いが貴方に届きますように…… 愁い見つめるその先には、静かな闇が広がるだけ fin
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