星のない夜
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その万札をポケットの財布にしまい込んだシンは、胸を張った。 「よし。トモヤにはいつも飯食わせてもらってばかりだから、今夜は俺が奢るわ」 バカか、こいつ。 オレの金でオレに奢るなんて発想がいかれてやがる。 開いた口が塞がらないと言いたいところだが、あいにくオレは新しいタバコに火をつけていた。 唇の隙間から煙を短く吐き出して、不快感を表明するだけに留まった。
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