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娘に連れられて小屋に来た猟師は、銃を構えたのち、惨状を目にする覚悟を決めてから、扉を開いた。
そこには真っ赤な液体を滴らせた毛むくじゃらの生き物がいて、長い逞しい腕を広げ、向かってくる。
それは猟師がよく知っている、獣の態度だ。
威嚇してきている。
そう、受け取った。
だが実際は、小屋の入口にいる娘に伸ばした手だった。
それを知らない、経験豊かな猟師は、迷わず引き金を引く。反射的行動と言ってもよかった。
弾は心臓を貫き、獣はもんどり打って床に倒れ、動かなくなった。
猟師は大満足だった。
なにしろ、何年ぶりかの大型の獲物だ。リスやウサギを撃つのとはわけが違う。猟師冥利に尽きるというものだ。
そのうえ、とにかく珍しい生き物の毛皮だ。綺麗に剥げば、高値で売ることもできるだろう。
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