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その日も、老婆の言いつけを守って、人狼は牛小屋に隠れていた。
すっかりその存在に慣れている乳牛は、小屋のすみの干し草の山に隠れているのにもいっこう構わずに、のんびりと昼食を反芻していた。
このとき、人狼は人間の姿をとっていた。
毛皮だと干し草が絡まってしまい、その後一日じゅう、ちくちくする羽目になるからだ。
春の暖かい日で、開けた窓から差し込む陽光は穏やか。
人狼はしごくご機嫌で、昼寝をしていた。
あまりに寝心地がよく、ついつい大きな寝返りをうった拍子に、転がり落ちてしまった。
「きゃあっ」
そのとき、驚いた声が突然小屋に響いた。
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