完全無欠の

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「ついにできた、こいつは完全無欠じゃ」と博士は言った。 試しに、ほれ、そこに金づちがあるじゃろ? そいつで思いきりこれを叩いてみなさい、と助手に促す。 ぐわわわぁーんと大きな音が研究室にこだましたが、傷一つつかない。 「やりましたね、博士!おめでとうございます」助手も嬉しそうだ。 「ところで博士、これはいったい何なんです?」 「それがわかったらな」と博士は静かに言った。 「誰も苦労せんわ」
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