えいぷりるふーるうぉーず

2/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
 四月。桜ハラハラ舞うエイプリルフール。僕は布団を蹴っ飛ばしてベッドを抜ける。 「今日は温か!」  今日はにょんたんずのお茶会に瑞希先生も参加するから気合いが入る。なんせ今日のお茶会のお菓子と飲み物は瑞希先生持ちだ。ワクワクしちゃう。 「翡翠、朝から元気だなぁ」  扉を開けると瑠璃お兄ちゃんと鉢合わせる。瑠璃お兄ちゃんはふわぁと欠伸をする。  昨日、僕が寝るとき瑠璃お兄ちゃんは帰ってきてなかった。薫蘭風お姉ちゃんとのデートで遅くなったのだ。 「僕はしっかり睡眠とったもの。瑠璃お兄ちゃんこそ、こんなに早く起きなくていいのに」 「翡翠より寝坊なんてできないよ。で、今日はどんな服着てくの?」  瑠璃お兄ちゃんが僕に服の話を持ちかけるときは、僕が女体化すると分かっているときだ。瑠璃お兄ちゃんもにょたチョコ男子だけあって可愛い格好には目がないのだ。 「今日は温かだからワンピースにしようかなって」 「ワンピース! カーディガンも着てけよ。翡翠みたいな子がワンピース着たら胸に視線が集まるからな」  出た。瑠璃お兄ちゃんの心配性。女体化した僕がロリ巨乳のために周りはみんな僕が体のラインが出る服を着るのを嫌がる。その筆頭が瑠璃お兄ちゃんだ。 「はーい」  洗顔歯磨き食事着替え。のんびりこなしてたらもう九時。僕は廊下をかけて外に向かう。 「翡翠! なんて可愛いんだ!!」  女体化して女の子の格好して部屋を出るとまず間違いなくお父さんが待ち構えていてそう言う。 「お父さん、ありがと! じゃね!」  抱きしめようと追ってくるお父さんを撒いて外に出る。  外に出ると猪さんが待ち構えている。 「ブヒ」 「猪さん、行くよーー!」  猪さんの背に乗ると猪さんは駆け出す。 「翡翠のいけずーー!!」  後ろでお父さんが叫んでいたけど、お父さんの相手してたら何もできなくなるよ。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!