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水無月祭は、同系列の私立学校6校で毎年開催される合同体育祭だ。
特にスポーツに秀でてる学校もないので、似たようなレベルのお祭り
気分で盛り上がる。
人数合わせの為に、部員で無くても他競技に参戦したりもする。
そんな感じでサッカー部の空実瞬は、陸上1000Mに引っ張り出され
ている。体力測定で学年一番のタイムを出したからだ。
ここで待っていれば、そのうち呼ばれるから。とだけ言い残して
陸上部のマネージャーは行ってしまった。
待機場所では他校の陸上部員達が、軽く体を動かしながら雑談で
盛り上がっていた。
陸上競技は中高校混在で行う。もちろん順位付けは別にして。
だから6年越しのライバルなんて仲もあって、お喋りは尽きない。
そんな雰囲気の中で、空実は隠れるように隅っこに佇んでいた。
選手はみな学校名が入ったランシャツなのに、空実は体操服。
誰から見ても、数合わせの部外者だと明確だった。
「そこ隙間風通るから、冷えるやろ。これ羽織っとき」
ふっと長身の選手が前に立って、空実にジャージを掛けた。
いつ呼ばれるか判らないし、賑わってる場を横切る度胸も無く。
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