31人が本棚に入れています
本棚に追加
/269ページ
には気を付けてくださいよ!いくら後輩だからって節度はわきま
えて貰わないと。ご機嫌損ねたら、どうなるか判りませんよ!」
「そんなタイプちゃうで」
「神田博士のお名前があるから、協力や了承得られたコトが
沢山有るんです。良好な関係を築くのが、ウチの部署で一番
重要なんですから~」
部下はおろおろするばかりだ。
「なかにし」
背後からふんわりした声だ。
「空実?うわ。びっくった」
中西は少し後ずさる。去年遊びに行った時もそうだった。
会う度に、空実は綺麗になっている。確かに元々整った容姿
なのは十分判っているが。信頼や愛情。それが熟成している
安定感がそのままその身に沁み込んでいるようで。つい、魅了
される雰囲気をまとっている。(なんや恥ずかしゅうて、元同
級生とか。絶対言えんワ)
しかし中西以上に呆然としているのが、隣の部下だ。目を丸
くして硬直している。神田博士の助手。しかめっ面で気難しそ
うな表情の写真は、一応見ていたが。
目の前に立っているのは。美しい外見で。それでいて、しっかり
と鍛え上げられた、ほっそりとしなやかな身体つきの男性だ。
最初のコメントを投稿しよう!