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師匠が最後に訪れた団地は古びた団地、過疎化が進んでいるらしいが最近は学生さん向けの安い賃貸先として若い人が増えているという。
とりあえず、団地の管理人を探して事情を説明。
すると、団地の管理人さんはこういうことがあったと語りながら管理室に案内してくれた。
管理室で湊さんが管理人さんから事情を聞いている間、私は師匠と姉弟子たちが残してきた物を確認する。
たくさんのお札と靴を管理人さんは捨てられなかったらしい。
何かやったらバチが当たりそうだと。
「美緒、住人さんのところに行こう。ここから1時間のところだ」
「わかった」
管理人さんから師匠たちの遺品が詰められたダンボール箱を渡された私たちは次の目的地に向かう。
そこに残された残留思念と師匠たちがいない状況からおおよそのことを察知。
あー、これはあっちに行ってますねと。
通常の人なら精神をやられるほどの恐ろしいことが起きたと認識した。
「あんたも感じたか? ちょっとした圧力」
「ああ、感じた。なんか嫌な感じが」
「管理人さん曰く、昔からここ怖い話があるってさ。過去には子供が焼却炉に入って燃やされた事故があって、そこから続いているらしい」
事故物件のサイトでは必ず掲載されるほど有名で昔から何かと現象が起きているという。
しかしと私は今感じたことを振り返る。
「でもさ、若干浄化されているような気がする。まだ嫌な感じは残っているけど、おしつぶされるほどではないよね」
「まあな。師匠がやってくれたおかげで少しはましになったのだろう」
湊さんも同じく感じていたらしい。
師匠がいた形跡を。
それは遺物みたいなもので、少しだけしんみりとするもの。
ああ、本当にあの人はあっちに行ってしまったんだと感じた。
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