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嫌な予感
それはある日のこと。
私は嫌な夢を見て心臓がばくばくしたまま最悪な目覚めを経験した。
その夢は尊敬している師匠、須川華子が姉弟子たちと共に地獄に堕ちる夢。
なんとも妙にリアリティがあって怖いものだった。
私と姉弟子たちと師匠は霊能者、心霊現象に対処する仕事をしている。
昔から第六感が優れているからこの夢はもしかしたら何か関係あるかもしれない。
信頼できる兼私の保護者役の姉弟子である湊さんに連絡すると、彼女も同じ夢を見ていたらしく気になっていたらしい。
自由に動き回れる湊さんに師匠の自宅と事務所に行ってもらうよう頼み、私はいざという時の準備を始めた。
それから30分後、湊さんから連絡がきた。
「華子先生、やっぱり行方不明だわ。3か月前、とある団地に出かけて以来戻ってない」
「そうですか……生存の可能性はないですよね」
「そうねえ……、実際にその現場にいかないとわからないけれど」
「とりあえず、その団地の情報を」
「わかった。今からそっちに向かうから待ってて」
最悪の状況を想像しながら湊さんを待つ。
電話してから30分後、湊さんが急いで私の住処である神社にやってきた。
「準備はOKか?」
「OKよ。姉さん」
顔をこわばらせたまま、私たちはこれから最悪の結末を見に行く。
ああ、もうあの世にいるかもしれない。
いや、もしかしたら心の中でわかっていた。
とっくに師匠はあの世にいると。
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