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8.もう一回、最後の焼きそばパン
それから俺たちは、変わらない友達づきあいを続けていた。
俺には告白する勇気がなかった。友達の距離が心地よかったし、この四人のグループが崩れることが恐ろしくもあった。
そのまま、高校三年生になり、俺たちはみんなクラスがバラバラになった。しかしいつも屋上に集まって、昼飯を食べていた。
「大学、どこ受けるか決めた?」
ある日、白鳥が俺たちに聞いた。それで俺は、自分が志望していた大学を織部も受けようとしていると知った。
「予想はしてたけど、やっぱりね」
織部はそう言って笑っていた。
俺は密かに、同じ大学に合格できたら、告白しようと決めた。
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