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大学の入学式の日、織部を探してみるが見つからない。
連絡して通ったか聞いてみようと思ったのだが、もし落ちていたらと思うとできなかった。
ここでも最後の一つの枠を、俺と取り合ってしまったのだろうか。
元は一人の人間を二人に割ってしまったように、俺たちは同じ場所にはいられない存在なのか。
授業が始まって、午前の授業を受け終わった。まだ授業の案内ばっかりだから、そんなに疲れはない。
昼時の購買は、大学でも混んでいた。何にしようかと考えて、焼きそばパンを買おうと思う。
人混みをかき分けて、パンの棚に辿り着いて、残っていた最後の一個に手を伸ばす。
最後の一個の焼きそばパンに伸びる手がもう一本あった。白くて指が長い、見慣れた手だ。
顔を上げると、織部が微笑んでいた。
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